陶芸家ポール・ロリマー
沖縄は猛烈。色とか何から何まではっきりしている。
曖昧な世界より合っている。
ワイルドだけど、人の優しさ、ジェントルの沖縄の世界が好き。
沖縄の自然な土だけを100%使用し、薪焚きをして作品を作る陶芸家、ポール・ロリマー。沖縄県で生まれた蒸留酒「泡盛」をまろやかに熟成させる酒甕をはじめ、湯飲みや皿、陶器のスピーカーなど様々な種類の作品を生み出している。
ニュージーランド出身のポールさんは、亜熱帯植物が生い茂る北部の国頭郡本部町に常設のギャラリーを持つ。工房と手作りの窯も併設している。
南北に長い沖縄は陶芸に必要な様々な種類の土(粘土)が取れる。それぞれの土地にはそれぞれ土しか持っていない色調や風合いがあり、その土それぞれの特徴を生かした個性的な作風がポールさんの焼き物の魅力である。
しかし、沖縄の土は収縮率が高く、扱いが非常に難しい。そんな沖縄の土をポールさんは「意地悪」というが、それを使いこなせるのも彼の陶芸家としての能力が高い証拠である。
また、一方で科学者としての面を持っているポールさんは様々なデータを分析した上で泡盛が熟成する酒甕の研究もしている。どの土を使い、どのような焼き方をすれば、熟成度が変化するのか。その研究は、地元の酒造メーカー崎山酒造と共同で行っている。本来、お酒好きのポールさん、酒甕作りの拘りは強い。